私の裁判官時代の判決集です。
① パチンコの景品引換券は有価証券に当たらないとした事例(昭和58年9月12日判決・確定,判時1118号222頁)
和久峻三「法廷博物学」(中公文庫)に「パチンコの景品引換券を変造したら何罪か」との題で取り上げられました。
② ゲーム機による賭博の事案における常習賭博罪の成立範囲(昭和59年11月5日判決・控訴,判時1135号155頁,判例評論316号70頁)
③ その場にあった覚せい剤を譲り受けて使用した場合,譲り受けが使用の罪に吸収されるとした事例(昭和60年8月12日判決・確定,判時1171号147頁,判例評論329号76頁)
④ 7歳の女児に対する強制わいせつ罪の成立を認めた事例(昭和63年8月26日判決・確定,判例時報1299号152頁,法学セミナー416号99頁)
⑤ 暴力団員が,入院中に暴力を振るった医師に対し,暗に金員の支払いを伴う謝罪を求めたことが,恐喝行為に当たらないとされた事例(平成3年3月20日判決・確定,判例タイムズ755号2262頁,法学セミナー441号139頁)
⑥ 試乗車の乗り逃げが,窃盗罪ではなく,詐欺罪に当たるとされた事例(平成3年8月28日判決・確定,判例タイムズ768号249頁,法学セミナー447号115頁)
⑦ 専ら警察に押収させる目的で,知人にけん銃等を入手させて自己の事務所の庭先に埋めさせたことが銃刀法等の所持罪に当たらないとされた事例(平成4年3月16日判決・確定,判例タイムズ788号274頁)
⑧ 氏名不詳者に覚せい剤を注射させて使用したとの公訴事実について,覚せい剤と思っていた旨の自白の信用性を排斥して,無罪を言い渡した事例(平成5年12月7日判決・控訴,判例タイムズ842号215頁)
⑨ 多量の銃器等を所持していた元暴力団組長に対し,最高刑の懲役20年を言い渡した事例(平成7年1月19日判決・控訴,判例タイムズ871号295頁)
⑩ 受供与者が受供与金額の一部をさらに第三者に供与した場合と追徴に関する事例(平成7年9月21日判決・確定,判例タイムズ892号273頁)
⑪ 銃刀法のけん銃実包譲受の罪と火取法の火薬類無許可譲受の罪が成立して観念的競合の関係に立つとされた事例(平成8年3月14日判決・控訴,判例時報1571号150頁)
⑫ 刑事確定訴訟記録の閲覧請求の検察官による不許可処分の当否について検討した事例(平成9年7月8日決定・特別上告棄却,判例タイムズ969号281頁)